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2022年3月24日

働き方改革

政府がすすめる「選択的週休3日制度」とは? 

人生100年時代を迎え、働く期間も長くなりますので政府は人材投資(ヒューマン・ニューディール)を実現する手段のひとつとして週休3日制の導入を提唱しています。多くの会社では現在、完全週休2日制を導入していますが、休日数がそれよりも1日多くなる制度です。 

週休3日制はユニクロを展開するファーストリテイリングや日本IBM、日本KFCホールディング(ケンタッキーフライドチキン)などの著名企業がすでに導入済みで、大企業を中心に徐々に普及しています。今年に入ってからはパナソニックも導入を明言しています。 

今後導入が広まりそうな週休3日制の概要とメリット・デメリット、制度設計について解説します。 

1.導入の目的 

週休3日制を導入する目的は、次の4つが考えられます。 

(1)リカレント教育 

AI化やグローバル化が進展し企業間競争が激化する中、これまでの知識や技術だけでは通用しない時代を迎えています。そこで、大学や大学院への入学によるリカレント教育(学び直し)により、一定の学習期間を確保するための週休3日制の導入が注目されています。 

(2)ワークシャアリング 

今日のコロナ禍による飲食業などの業界に代表されるように、突発的な事情により一時的に需要が低迷し、雇用維持のために休日数を増やすことで従業員の労働時間を削減するのが目的です。

(3)ワークライフ・バランス 

週休3日制は介護や子育て、あるいは治療と仕事との両立に有効的であるとされています。特に、団塊の世代が70歳代後半を迎え、介護離職の防止には一定の効果が期待できます。 

(4)採用力強化 

長年人手不足に喘ぐ中、とりわけ若年者の採用は深刻です。そこで週休3日制を導入することで少しでも若年者の採用を有利に働かせたいという新規採用、あるいは離職防止のための目的です。

2.制度設計 

週休3日制の設計には、大別して次の3つの方法があります。 

1.休日を増やした分、給与を減額するケース 

休日が1日増える分、給与を減額するケース。1日8時間労働・週5日勤務の場合は、週休3日制により給与は20%減額になります。 

2.休日を増やしても、給与を減額しないケース 

休日が1日増えても給与は現状のままで変わらないケース。時間当たりの給与は20%増額となります。 

3.休日を増やした分、勤務日の労働時間を延長し、給与は変わらないケース 

1ヵ月単位の変形労働時間制を導入して1日の勤務時間を10時間とし、週4日勤務で週40時間と給与額は変わらないケース 

(1)は給与が減額しても子育てや介護などのために休日数の増加を優先する社員に適しています。ワークライフ・バランスに向いています。(2)は当該社員は優遇されますが、適用されない社員との間に不公平感が残ります。リカレント教育型ワークシャアリングに適しています。(3)は給与と労働時間とが整合性が取れています。休日数をアピールする採用力強化に向いている制度です。 

(1)から(3)のいずれかを選択すべきか、まず導入目的との兼ね合いで検討する必要があります。 

3.メリットとデメリット 

 週休3日制には、次のようなメリットとデメリットがあります。 

 メリット デメリット 
従業員 ・子育て、介護、治療との両立 ・リカレント教育によるキャリアア ップ、キャリアチェンジ ・副業、兼業が可能 ・メリハリの利いた勤務体系 ・給与の減額の可能性あり ・他の者からの理解が得られるか? ・社内外とのコミュニケーション不足 
会 社 ・育児や介護による離職防止 ・人材確保、採用力の強化 ・リカレント教育によるスキルアッ  プ ・時間の効率化による生産性の拡大 ・副業、兼業による長時間労働 ・異動など人事管理が複雑・困難 ・マンパワー不足の場合、新規採用が 必要 ・社内外とのコミュニケーション不足による弊害 

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